朝、朦朧とした頭でテレビを見たら、映画の一幕のような画面だった。
よく分からないが、東大寺のお水取りのような暗闇に炎が見える。
なんだかよく分からない。
時間も無かったので、そのまま職場に向かい、そのシーンのことは暫く忘れていた。
思い出したのは、晩、久々にクアハウスに行った風呂上りだった。
置いてあった新聞の見出しと写真で、今朝の映像がフィクションでなかったことを悟る。
フィクション、誤報であってほしい、という(無謀な)期待はかなわず、テレビも無情な火事の様子を映していた。
首里城が焼けてしまった。
今年の1月に、30年かけて行った修復工事が終わった矢先のことだったと。
琉球王国からのシンボル。
沖縄に暮らす人の心の中で大きな存在が、一瞬にして焼け落ちてしまった。
地元の方々の無念さ、哀しさ、悔しさは計り知れない。
でも、きっと必ずや時間がかかっても、いつか同じ姿を取り戻すだろう。
今はとにかく信じられないし、茫然としているが、首里城が再びみんなの前に現れることを願って止まない。