出張で福岡に行くことになった。
九州は本当に縁が薄く、親戚友人もいないし殆ど足を踏み入れたことが無い。
小学生だった頃、父親が単身赴任で宮崎県にいたことがあるが、福岡は通過しただけだし、結局赴任地の宮崎にも1回か2回しか行かなかった。そういうわけで、九州は全く自分にとっては未開の地である。
福岡、という言い方をすると、福岡県内全域を指すのか、と思いきやそうでもないのか。博多は市ではなくて区なのか。用事があったのはJRの博多駅周辺と、西鉄天神駅の近く。要は福岡の中心地だ。
驚いたのは、福岡の街は意外に「ちっちゃい」ことだ。木曜の晩に新幹線で博多にやってきて、それから帰るまで、公共交通機関をほぼ使わず徒歩だけで用が足りてしまった。なんなら最後のバスだって乗らなくて済んだかもしれない。けれど当日雨が降っていたし荷物がそこそこ重かったので、結果的にバスに乗ったけれど、市街地ど真ん中からバスで20分で空港到着ってこれもまたすごい。
閑話休題、出張先でもローカル銭湯に突撃、はニュウヨーカーの命題だ。特に銭湯はローカル色が色濃く反映される。
今回お邪魔したのは繁華街中洲にほど近い、レトロな銭湯。その名も鶴亀湯。
Googleの口コミでは極端な評価になっているな…どうやら「名物女将」がいるらしい。さあどんな感じなんでしょ、と思って訪問したが、あら拍子抜け。私以外には恐らく地元の常連と思しきシニアマダムがおひとりいるだけ。しかもその方も程無くして帰宅してしまった。
中に入るとフロントかと思いきや番台かよ!というトリッキーな作りがまた面白い。(ここの番台でGoogleに書かれているようなやり取りがなされるのだろう)
(そこの関門を潜り抜けて-幸か不幸か私の身には何も降りかからなかったが)脱衣所に辿り着いても、風呂場はさほど大きくはない。少し変わった間取で、きっちりした長方形ではないのだろう。まあ随所に歴史を感じるアイテムはある。木製の下駄箱だとかマッサージ椅子とか。
お風呂はL字型になっている。奥側のー線になる泡風呂が比較的温度が低い。手前側のI側はどっちかというと熱め。個人的に萌えポイントの固定式シャワーがいいなあ。
備長炭風呂がこの銭湯のセールスポイントのようだ。奥の泡風呂の片隅に、炭が入ったネットがぶら下がっている。
更に、脱衣所や風呂場内に、達筆な筆文字で書かれた注意書きも時代を感じる。「注意書きが多い」というのもGoogleに書いてあったが、なんかそういう…デジャヴを感じるなあ、と思ったら、神戸市灘区にあるあそこか、と風呂の中で合点がいった。
ちなみに浴槽は比較的深い(関西ではあまりお目にかからない深さ)なので、小さい子供だと足が付かないんじゃないだろうか。
サウナは脱衣所にあるが、今回は時間的なこともあって入らなかったので詳細は分からない。
「デンキで冷やしている」水風呂は暴力的に冷たいので(普通の街中銭湯でここまで冷やしているところも珍しい)、交互浴だけでも充分価値がある。
いろいろ通った私でも個人的にここの銭湯はなかなかにハードルが高いなあと感じたが、それゆえにここの風呂に浸かったら「私もプロのニュウヨーカーになったもんだわ」と感じるに違いない。
鶴亀湯
福岡県福岡市博多区住吉2丁目13−9
アクセス:JR博多駅から歩いて15分くらい
定休日:日曜日
営業時間:15:00-23:30閉店
サウナ:あり(脱衣所にある)
水風呂:あり(暴力的なまでに冷たい)
露天:無し
シャンプー石鹸:常置無しのため持参か現地調達
その他特記事項:フロントかと思いきや番台
全ては女将さんの機嫌次第(らしい)