サバ×サバな日々

メンタル不全により仕事からの敗走。休職というサバティカル、そしてサバイバルに向けて模索する日々のよしなしごと。

サバイバル日記679日目(放っておくとマズいことになりますよ)

森喜朗という老害爺さん(本人が認めているから、そう言って差し支えなかろう)が、またもや「お得意」の失言を放ってはや数日。いや、正確には、世に明らかになって数日、か。

話を聞いた瞬間から、いろんな考えが頭を駆け巡った。SNS上で、いろんな事に脊髄反射のように反応して書ける人って凄く頭がいい and/or 思い切りがいいのだろう。ネットの世界は情報が玉石混交ゆえ、裏採りしたり、いろんな側面から考えているうちに時間は流れ、次のニュースへと世の中は移る。

しかし、発言があった、(或いは何かしらの行動があった)という事は、変わりようのない事実。

 

どんなことを言い散らかしたのか、ネット記事だと消えてしまうかもしれないので、ここに(嫌だけど)全文を貼り付けておこう。

(以下、スポニチアネックス、2021年2月5日 05:30の記事より転載)

【3日の東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗会長発言】これはテレビがあるからやりにくいんだが女性理事を4割というのは文科省がうるさく言うんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言いますがラグビー協会は今までの倍時間がかかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(一同笑い)。5人います。
 女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か一人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局女性っていうのはそういう、あまり言うと新聞に悪口書かれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。

 私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした的を射た、そういうのが集約されて非常に我々役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。

 元記事はここにあります↓(そのうち消えるかもしれないけれど)

www.sponichi.co.jp

 

ええと、この放言があったのが2月3日か。

そして、表沙汰になって、4日に釈明会見。

謝罪、ではないですね。「どこが悪いの?」という逆ギレな姿勢。

www.tokyo-np.co.jp

で、当のJOCは何かしたかというと「何もしない」で、むしろ他の理事は「辞めろ」というどころか「辞めないで」と言ったとか言わなかったとか。

そして報道やネットでこのことは日本どころか世界中に拡散される。

edition.cnn.com

 

世の男性、特に女性が社会で活動することを好ましく思っていない人たちは、この昭和な老害おじさんの本音を支持するのかもしれない。

だけどちょっと待て。百歩譲ってパーソナルスペースでは言うことが許される内容であったとしても、それを公共の場で発しちゃうのはNGでしょう。

今の日本社会の個人個人がどう捉えるかはさておいて、「世界標準」では、公共の場で「性別」や「人種」や「特定の国、民族」などを元に差別をすることはアカンこと、という前提条件ができあがってきている。

つまり、そのルールに乗れなければ、世界標準から置いていかれる、ということだ。

 

そもそも、ご本人が「掃いて捨てれば」と自虐するような老害爺さんをオリンピック委員会のトップに座らせた。その時点でハラハラものだが、次のオリンピックはただ参加すればいい、っていうのではなくてホスト国だ。

山口香理事が言う、「多くの国民が一歩ずつ努力し大きく改善されてきたにもかかわらず、五輪・パラリンピック組織委員会の会長がそういった発言をされたことで、日本人がいまだにそういうことを思っていると世界に示されてしまった」、正にその通りなのだ。

 

つまり、モリヨシローを即非難し、辞めさせる、という手段に出ない限り、日本社会がモリヨシローの言動を容認(=肯定)していることになる。

老害親爺ひとりの問題ではなく、日本社会全体の問題だ。

 

もともと今回のオリンピックが開催できるかどうかは極めて不透明だし、選手のことを思えば開催は無理じゃないかと思う。(IOCは無観客でとか言っているけれど、それは放映権が手中に収まれば、という思惑での発言。無観客になれば、インバウンド特需を見込んでいた日本は総崩れだ。)

 

とにもかくにも、この問題、「『謝罪会見』したんだから、もういいでしょ」というスタンスでは済まされない。

そして、繰り返し言うけれど、オリンピック組織委員会という場を借りて、日本の「前時代的男尊女卑価値観」、そして「差別を黙認、容認する社会」というのが世界にダダ流しになっている。←イマココ

この汚名を返上するのは、我々ひとりひとりの市民の誠実な行動にかかっている。

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