前から気になっていた豚カツのお店、それは奈良にある「まるかつ」。なんでも、幹線道路の途中にあって、駅からは遠く、しかもチェーン店が軒を連ねている間にあるから「行きにくい、入りにくい」要素もあるらしい。けれど、店長さんのいろんな取り組みがtwitterをはじめメディアなんかでも取り上げられるようになって、気になるお店になっていた。特に、「お金が無いけれど、どうしてもお食事したい人は店長にこっそり言ってください」という、子ども食堂みたいな取り組みは、日本人らしい善意だなあ、とどこかでお手伝いできないかなあとすら思わせてしまうところがあった。
ただ、奈良には縁が無くて、2号店の生駒店オープンもLINEで知ってはいたが、それでも訪れるチャンスは無く…しかし。そんな「まるかつ」が大阪にやってきた、そうだ。それも大阪駅。これならば行ける!と思って、今日、心斎橋の「林檎屋」に行った帰りに寄ってみることにした。
まだオープンして間もないので、スタッフは若葉マークの「研修中」の人がたくさん。座席は意外に多い。窓側の席は見晴らしがいいのかなと思ったら、大阪駅の屋根が見える構図だった。電車が見えないのは少しさびしいけれど、それでも高層階というだけで気分はいい。
メニューを見ると、看板メニューの豚カツ以外にも、コロッケやエビフライなど、揚げ物がたくさん。ただここは、まずはお店の味を知って、ということで、ヒレカツをチョイス。ただ、季節限定品も捨てがたいので、ホタテフライとヒレカツのコンビ定食を頼むことにした。
店内には食事以外にも、貼り紙がたくさんあったり、食前酢のサービスがあったりと、ホスピタリティ満載の様子。なるほど、ファンが増えるわけだな。
そして、肝心の料理だが、これが、豚カツの常識を覆す出来だな、と思った。安いところからお値段張るところまで、とんかつ屋っていろいろあるけれど、価格以上の美味しさ、価値を感じるところはそうそう無い。今回食べてみて、ごはんもお味噌汁も美味しいな、と感じた。ごはんは「ただ炊いて出している」と感じてしまうレストランが多い中、こだわっているんだろうな、と感じさせるものがあった。ヒレカツも、ヒレなのにぱさぱさしていない、固くなっていないのが凄いなあ。ちょこっと付いていた胡麻豆腐も良かったし、トータルバランスで大満足だった。
さすがに完食するのは無理そうだったので、ヒレカツ1/3とホタテフライ1つは持ち帰ることにした。持ち帰り用のパックやビニール袋も置いてくれているのがとても親切だ。
すべて満足して、いざお会計、となり、最大の山場はやはりこれだろう。
「店長からの賄賂でございます」と手渡された「賄賂」の封筒。
これは、遠からず再訪間違いない。