サバ×サバな日々

メンタル不全により仕事からの敗走。休職というサバティカル、そしてサバイバルに向けて模索する日々のよしなしごと。

ニュウヨーク出張:帝国湯(東京都荒川区)

東京にやってきた。

昔は東京に来る楽しみは落語、美術館、とちょっとした美味いものだったけれど、昨今はそれに「銭湯巡り=ニュウヨーク出張」」が加わる。

普段大阪神戸で銭湯に行きまくっても、東京の、特にレトロ銭湯にある「唐破風スタイルの佇まい、広々とした天井と空間、ガラス戸を開けるとどどんと眼に入る富士山とかの絵」という構図はザ ・東京スタイル

更に言うと、「(不必要なまでに)熱いお湯」というのも東京ならではかもしれない。

そして、今日はそのエレメンツが全て揃っていると言ってもいいレトロ銭湯に出張することに成功。

荒川区にある「帝国湯」さんである。

ちなみに「帝国湯」は何軒かあるのでお間違いないように…

場所を説明するのはなかなか厄介。というのも、「どこの駅からもそれなりに距離がある」し、もろ住宅街の中にあるからだ。

一番近いのはJR常磐線の「三河島」という駅だろうか。ここからならば、10分かからずに辿り着ける。地下鉄が好きな人ならば、東京メトロ日比谷線の「三ノ輪」駅から歩いて10分強。我々は「東京メトロ24時間券」を愛用しているので、この三ノ輪ルートで来訪した。

 

住宅街の中をひたすら突き進むと、十字路を曲がってひょっと入ったところに、素晴らしい佇まいの「帝国湯」玄関が現れる。

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もう、威圧的ともとれるこの堂々たる面持ち、圧巻です。

「湯」の暖簾をめくると、この傘立て(というか傘入れ、か)がドーン。

この「傘入れ」っていうのも、大阪方面ではあまり見ないかもしれない。

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この傘入れの左右に男女別の入口がある。右が女湯、左が男湯になっている。
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こんだけトラディショナルなので、もちろん番台式。

ここで入湯料をお支払い。あと、東京銭湯のスタンプラリーをやっている人は、番台に頼んでQRコードを貸してもらう。

 

内装は、この外観を裏切らない立派な歴史的造作。天井は板張り格子天井、高くて解放的な空間。

脱衣所の片隅、洗い場側に常連さんのグッズと思しきものが収められた棚がある。面白いのは「マイ風呂イス」も置いている方がちらちらいらっしゃるような感じ…

で、洗い場は非常にシンプル。壁に沿っての左右と、真ん中の島カラン。関西にあるようなカランの前の段は無いので、蛇口の位置は低め。真ん中の島カランは鏡もシャワーも付いていない。湯と水の蛇口のみ。昔は毎日シャンプー、とかそういう文化でも無かったから、このセッティングで事足りたんでしょうね。

とりあえず、そそくさと身体を洗い、いざ浴槽の前へ。

どこから入るか、一瞬たじろぐ。

事前情報として、こんなのがあった。

tokyosento.com

そう、ここ帝国湯は、東京でも一、二を争うくらい「激アツ湯な銭湯」らしいのだ。なんでも、「45℃はフツーに超える」らしい。そんなの、湊山温泉の一番奥の通称「蛸壷」くらいじゃないか、関西では…しかもそのタコツボに昔「探偵!ナイトスクープ」が取材に来たらしいから…そんなんやったら東京の銭湯殆ど行かなきゃアカンことになるわ…という邪念はさておき。

右端の薬湯は割とマイルドな温度らしいので、そこから行くことに決めた。

「…(ぬるい)」

薬湯は子どももニッコリな40℃。ここなら長湯もOK、だけど、悲しいかな家族風呂サイズなので、3分ほど身体を慣らして一旦出る。

いざ覚悟を決めて真ん中の浴槽に。ジェットが付いていて多少お湯がかき回されているにしても、熱い!(けど、44℃くらいだった)

入れない、事はなかった。

しかし、1分以上浸かっているのは無理だな。瞬間的に吹き出る汗と格闘していたら、常連さんが「何やってんだ」と思ったらしく、「埋めていいよ!我々だって水足さなきゃ入れないんだから〜!」と御親切に教えてくれた。それならばお言葉に甘えて、とちょいと足し水の蛇口をひねる。(が、タプタプの熱湯はちょっとやそっとでは冷めない)

よくよく見たら、常連の方、水で埋めまくってるし、別のシニアマダムも入ったと思ったら即出てる。つまり、このアチアチのお湯はどっぷり浸かるものではないのだな。

でも、案外この熱さはクセになりそうだ。長らくこのお湯に親しんだら、他の銭湯は「沸かしが足りねぇよ!」ってなるのかな。

とにかく建築も雰囲気も、全てが文化遺産な「帝国湯」。

熱さにめげずに再訪したい。

 

帝国湯

東京都荒川区東日暮里3−22−3

営業時間 15:00 −24:00 

定休日 月曜日

アクセス 常磐線三河島」駅から歩いて5分強 東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅から10分ちょっと

サウナ 無し

水風呂 無し

シャンプー石鹸 備え付け無し

備考 縁側もキレイ。外装、内装共に歴史的建築物なので必見。