最後の最後まで「お騒がせ」だったトランプ氏が遂にホワイトハウスから去った。
彼の言行については、大統領選挙時点で失望していたので、この4年間は日々が悪夢だった。私自身はアメリカ国籍も持っていないし、アメリカ国政の選挙権も当然無い。しかし、どんなに影響力が相対的に弱くなっていたとしても、「世界の警察」あるいは「世界のジャイアン」なアメリカ。なんかしら言ったりやったりすれば、多少なりとも全世界に影響力が及ぶ。
「アメリカ・ファースト」と叫び続け、それってアメリカ・ファーストじゃなくてトランプ・ファースト、俺さまファーストだったんじゃないの、と感じ続けた4年間。彼は民主主義ではなく、資本主義のなれの果てを体現していた、というのは間違いではなさそうだ。
少なくとも、一人の人間として尊敬に値するかといえば、NOだろう。どんなに結果に納得がいかなくとも、選挙戦終了後の醜態は史上最悪だっただろうし、なにより最終局面において「議会を占拠しちまおうぜ、突撃だ!」と言わんばかりに支持者を焚き付け、扇動した(悪)影響は計り知れない。曲がりなりにも、民主主義を大切にするアメリカの在り方を、否定してしまった。そのあと、一生懸命に釈明していたけれど、時すでに遅し。任期中に2回も弾劾されるなんて前代未聞だし、次期大統領就任式に出席しないという不義理さも開いた口が塞がらない。
まあ、そんなこんなすったもんだがあったけれど、一応トランプ氏はホワイトハウスを明け渡した。
次期大統領、ジョー・バイデン氏は「史上最高齢」の大統領、らしい。
いくら世界的に少子高齢化が進行しているとはいえ、アメリカも「そういう国」になっちゃったのね…
恐らく、バイデン氏が指揮を執ることにより、この4年間でアメリカが辿った「おかしな方向性」は少しは軌道修正されるだろう、と期待してはいる。
それと、今回の副大統領がカマラ・ハリスさん。
「史上初」の、「黒人系」「女性」の副大統領、と。
黒人(あるいは有色人種)か女性か、どっちが先に大統領になるのか、という議論があった。結局、それはオバマ氏が大統領になったことで、黒人が先だった。
日本で、大統領就任式がライブ中継されることはあんまりない(だいたい、深夜だから)。視聴率も取れないだろうし。有料放送では放映があるのかもしれないけれど、それだとますます視聴者は限られる。
今回の就任式は、コロナ対策もあって、一般市民が沿道に並んで祝賀する、というのは無かったらしい。その直前まで、テロ対策云々と言っていたくらいだから、保安上の理由からも、それは賢明な判断だったのだろう。
いずれにせよ、これからの4年間。俺さまファーストからの方向転換に、全世界が期待している、筈だ。