不惑を迎えてから、昔は見向きもしなかった昭和レトロなお店に惹かれるようになった。いわゆる純喫茶や、昔ながらの定食屋など。「おじ(い)さん、おば(あ)さんしか行かない、居ない」という先入観もあったせいだろうけど、逆に言えば、自分が「そこに居てもおかしくない歳」になっている、ということの裏返しでもあったりする。
神戸、三ノ宮や元町方面に出かけると、もっぱら行きたくなるのは「サントス」や「エビアン」といった老舗の喫茶店。もちろんス●バはある、けれど、もはや世界中どこでも埋め尽くされたスタ●よりも、昔ながらの空気感が今の自分には合っている。
そんなレトロ喫茶の一軒に、「マルオー」という店がある。元町の、少し西側だ。何度も前を通ったことはあるけれど、いつもタイミングが合わずに入店はしていなかった。
このマルオー、リンゴ1個を丸ごと入れたパイ、その名も「ウィリアム」というのがあって、店の「推し」にもなっている。
実は今日も店の前を通った時は、ランチの後だったので、「また来ようか」と言いかけたのだが、そうも行かなそうな状況に。
緊急事態宣言の状況如何によっては、「また」は無くなる。直感的にそう思って、ためらわずに入店。
「いらっしゃーい」とアットホームな挨拶で迎えてくれる。店内は、ザ・昭和な雰囲気だ。今頃、店内がタバコの煙で満たされてる店って珍しい。(そういえばサントスも今では禁煙だし)
早速ウィリアムを、注文。せっかくなので、コーヒーもいただいてみる。
食べながら店内を見回すと、結構お一人、かつ女性も多い。常連率も高いのか、店員さんと話し込んでいるマダムも。
有名な店なのに、緩いアットホームな雰囲気が良いなぁ。
さて、恐らく、また来よう、が叶うかどうかは分からないけれど、口先だけでは無く、「また」を期待している自分がいる。