いつも行っている銭湯、今日はお客さんが多いなぁと思ったら、連休の最終日に加えて、縁日イベントやってるわ、更に有名な熱波師が来て仰いでくれるわ、と集客効果満載の日だったようで。
そういえば、場内何箇所かに「熱波師来訪‼︎」と貼り紙があったけれど、むしろ普段ここの銭湯に来ている人よりも、熱波愛好家、あるいはこの熱波師のファンで、普段は別の銭湯に行っている人が多かった気もする。
なるほど、カリスマ来たる、とSNSで告知すると集客効果があるのか…しかも普段はユーザーじゃない層への認知度アップかぁ…
そして、発信力の高い一般顧客を味方に付ければ、下手に広告料払って媒体に載せてもらうよりはるかに訴求力が高くなる。デジタルSNSの威力ここにあり、ってやつだ。
話が少し逸れたけれど、最近はサウナに「ロウリュ」がつきものだ。
ただ、日本のスーパー銭湯、サウナセンター界隈の「ロウリュ」というのは、本国フィンランドのソレとはちょっと違う。
大抵、ロウリュができるサウナルームのサウナストーブの上にはストーン(石)が置かれている。石焼芋を作る、まさに石を焼いている状態だ。
そこに、水を少しずつかける。サウナルームのイベントでは、芳香付きのアロマ水なことが多い。そうすると、「焼け石に水」の字のごとく、あっという間に水蒸気となって、サウナ室内には熱した水蒸気がムンムンと立ち込める。
サウナ室の温度は上がらないけれど、湿度が急上昇することで、体感温度はかなり上がる。
…ここまでは、フィンランドでもある一般的なロウリュ。そもそも、ロウリュとは、この「サウナ石に水をかけて立ち上る蒸気、あるいはこの蒸気を発生させる行為」を指すらしい。
日本のサウナでは、この後、スタッフがでっかい団扇やバスタオルで空を扇いで、お客さんに熱波を送るのだが、フィンランドではこのスタイルは無い(というか、現地で確かめたことはないで断言はできないが、方々からの情報で、フィンランド人が「フィンランドではない」と言っていることを知っている)。
むしろ、この熱波を送るサービスはドイツでポピュラーな「アウフグース」だ。
実はドイツ人、結構なサウナ好きで、大都市には大抵サウナ施設がある。
私はベルリンの中で2ヶ所のサウナに行ったことがあるけれど、以前の日記でも紹介したVabaliは、まさにアウフグース天国だ。
ドイツのアウフグースは、熱波師(Aufgusser)のショー的な要素が結構強い。
時間通りにやってくると、まずは自己紹介をして、これからのショータイムの内容を簡潔に説明。アロマの種類と効用とか。
そして、アロマ水注入は3回に分けて行う。勿論、3回目が一番強烈になるように仕掛けられている。トータルタイムで10分以上15分程度はかけている。
代わって日本のスーパー銭湯やサウナでは、「時間が来たからとりあえずやっている」というオーラが出まくりの場合もある。
確かに、やっている方は暑いし疲れるしなのは分かる。でも、「とにかく一刻も早く此処から出ていきたい」気満々で、あっという間に終わってしまう団扇仰ぎをドイツのアウフグースと一緒にするのも申し訳ない。
日本では熱波師の公認資格とかは無いから、オレが熱波師だ!と言えばそれまでなんだろうけれど、できればドイツのアウフグースなんか体験してブラッシュアップしてもらいたいものだ。
決してドイツ式にしろ、といっているのでは無い。サウナと同様、日本の文化に上手く融合するような、ひとつのカルチャーとして醸成していってほしいのだ。
タオルで熱波