先日来、大阪の地下鉄に乗ると、こんなポスターが目についた。
このポスターのデザインの意味が分からなかった、が、暫く考えた末、「投票」→「トウヒョウ」→「ヒョウ」なんか、と、思い至った。
なるほど、トラやライオン、ましてやパンダではいけない訳か。
私自身は大阪市民ではないので、この住民投票への参加権は無い。親戚も大阪市民では無いので、どちらかと言えば外野席モードだ。
だけど、全くの他人事では無い。やはり関西圏随一の都市である大阪市が解体してしまったら、関西圏のいろんな意味での活性化は沈下してしまう。
「都構想」なんていう名前が表に出ているので、ひょっとしたら、大阪市民の一部の人は「トーキョーのようになれる」と思ったのかもしれない。
けれど、この話、平たく言えば、「大阪市を解体する」ことに尽きる。
第一、このトコーソーってやつ、当時「大阪府知事」であった橋下徹が、ビンボーな大阪府の金策をする為に、割とお金のある大阪市からお金をむしり取ろうとしてぶち上がったもの。
だから、自分の持ち金を取られては堪らない、と、反対するのが大阪市民の本筋だと思うのだが…
百歩譲って、比較的リッチな区、例えば北区(梅田周辺ね)の住民が賛成する、っていうのは何となくわからなくもない。だけど、(何処とは言わないけれど)繁華街も無い、目立つ企業拠点も無い区は、分割されてしまったら今後は苦境に立たされてハイおしまい、になるのだ。
今年のコロナ禍での対応も、現行の大阪市ならば、200万の政令市というスケールメリットがあるからこそできたことは多々ある。
原資が無くなれば、当然行政サービスの質も量も落ちる。それを分かった上で賛成って言っているのかな、と心配になる地域もあるのだが、最終的には否決、大阪市存続決定となって良かったと思う。
地元ではなくても、「今までならば助かっていた、救われていた」ケースが、大阪市が解体することによって放置されてしまうような将来になることを危惧していたから、それが避けられたことは安堵している。
そもそも、外野で見ていても、大阪市民にとってのメリットが何か、不利益が何かの説明が懇切丁寧に有ったとは思えない。
前回の否決一回でいいじゃないかと思っていたけれど、自分が勝ち続けるまでジャンケンを続ける気なのか、という維新の往生際の悪さにも呆れる。
それより更に呆れるのは公明党の立ち位置の不明瞭さ。前回の住民投票の際は「反対」のポジションだったのに、今回は「賛成」かよ。その間に何が変わったんだ。そこが不明瞭だから、流石に、党として賛成と言っていても、支持者は反対票を入れた人もそれなりに居た。
言うならば、松井は大阪市を身売りしようとしたのだから、任期を全うしなくても良いのではないか。まあ、拮抗していたから、半数程度は支持者なのかもしれないけれど、少なくとも「大阪市」に留まる理由は無いのだから、早くお辞めになったら良いのに。