地元の方、関係者の方には本当に恐縮なのだが、余所者が「西成に行く」というと、「え、なんで？」とまず訝しがられる。西成だっていろんなところがあると思うのだが…特にNonジモティから、「え、西成って、ホームレスのオッサンとかが路上に寝てたりとか、悪いことばっか起きてるとこやろ？行ったら犯罪に絡まれるし、特に女性が好き好んで行くところじゃないで」とか言われる始末。
をいをいをい、いくらなんでも散々な言い様ではないか。いくら余所者でも、↑は西成の局所的な描写であって、しかも、毎日毎時そんなことが起きているとは思えないぞ。
実際に歩いてみれば、実態が分かるのだ。
というわけで、やってきました西成は天下茶屋。
「天水湯」は以前から名前だけは知っていた。敬愛するリージョナルマガジン・Meetsの連載記事、「ニュウヨーカー」の項にもたびたび取り上げられていた故、気にはなっていたのだ。
つい最近リニューアル工事を行い、再オープンを果たしたのが11月20日とか。なんと！できたて！これは行ってみないと。
そんなわけで、連休最終日、逸る心を抑えつつ、梅田から南下。
ちなみにいくつか行き方があるけれど、乗り換えが楽なのはなんと四ツ橋線に乗る方法だった。四ツ橋線の岸里駅と、天下茶屋駅は至近距離だったのだ。
お昼ご飯を食べようともくろんでいたお店が岸里駅が近かったので何かと好都合であった。満腹になったお腹、肉の匂いが染み込んだ髪の毛と共に天水湯に向かう。
おっと、開店時間を30分間違えてしまい、しゃーない、15分ほど商店街をプラプラして開店を待つ。12：30に再び店の前に戻ったら、ちゃんとオープンしていた。
改装前までは番台式だったので、ガラス扉は2枚あるが、今はどっちから入ってもいい。ただ、下駄箱が赤と青で分かれているし、何となく修正で女性は左から入るんだろうか。
フロント式になった今も脱衣所は充分な広さ。昔ながらの銭湯ってすごい繁盛していたのか、意外に脱衣所面積がとんでもなく広いところも多いからなぁ。
さて、風呂場に突入すると、中はピカピカ。きっと改装中に綺麗にお掃除メンテもされたのだろう。カランもピカピカ。あと、牛乳石鹸の赤い桶がまぶしい。新装開店記念だろうか。
大阪スタイルなので、浴槽の周りの縁はもちろんあって、そこに腰かけて身体を洗っている常連さんももちろんいらっしゃる。一番手前に薬湯があったけれど、ここは人気薄？手前に電気風呂、そしてスペースを上手に使った浅いゾーン、深くなってジェットゾーン。
更に、今回の改装に合わせて「人口高濃度炭酸泉」を導入されたそうだ。炭酸泉好きの私としてはなんとも嬉しい。ここに10分浸かっていると、全てがどうでもよくなる。
さて、サウナは炭酸泉の奥。木が真新しい。電車のロングシートよろしく、向かい合わせの配置。ストーブ側は詰めれば2人、反対側は詰めれば4人掛けだろうか。ただ、このコロナ禍だと、3人くらいが適正人数だろうか。
サウナはバスタオルを持参すれば、追加料金なしで使用可。バスタオルを持っていなくても、フロントで50円で貸しタオルがあるので便利。
噂の水風呂は、サウナ横に設置されているので動線もよし。更に、階段下に作られているので、ちょっと引きこもれる感じが、一人になりたいときにはいい感じ。ちなみに、かなりよく冷やされている。16℃を下回っていたので、サウナ→水風呂、とか、深いお風呂でしっかり温まった後水風呂→炭酸泉というサーキットも可能。
90分たっぷり新しいお風呂を堪能した後、若大将とちょっとお話できた。
今回の改装前に、いろんな銭湯に見学に行ったり話を聞いたりして、改装に踏み切ったらしい。改装期間、休業している間にも、東京の繁盛している銭湯に詣でたりと、非常に勉強熱心な様子が伺えた。
以前は2階にサウナと露天風呂を設置していたけれど、「階段から落ちる人が多かったので…」ということで、2階に通じる階段は閉鎖してしまい、サウナも水風呂も1階に設置することにしたんだとか。そういうわけで、「滝行」と「露天風呂」は無くなってしまったけれど、それに余りある設備だと思う。
これからも、この街を元気にするツールであり続けてほしい。
天水湯
営業時間 12：30－24：00
定休日 水曜日
アクセス 南海電鉄、地下鉄堺筋線「天下茶屋」駅より徒歩3分くらい
サウナ 有り（ドライサウナ） バスタオル持参なら無料 レンタルタオル50円
水風呂 有り 実測15.6℃でした 二人は入れる。気持ちいい水。
シャンプー石鹸 備え付け無し
受付 フロント式に変更されてます
