思えば秋頃から、自分の中での不完全感は続いていた。
だけどなんとか最低限の生活や仕事はできている。
仕事に関してはクォリティ低下の一方だった。
で、注意され→次の評価が気になって萎縮→今までフツーにできていたこともできなくなる→ますますクォリティ低下、の負のループに。
ただ、この時点でもまだ医者にかかろうという判断には繋がらなかった。
負のループが3周は回った頃ー11月に入ってからだろうか。
周囲の音がとても気になり、自分の耳に突き刺さるようになってきた。
特に気になったのが、隣の席の女性(仮にAさんとしよう)。
Aさんは、所作がどっちかというと豪快で、音もよく立てる。
だが、ノック式のボールペンを出したりしまったりする「カチカチ…パシッ」という音や、書類を机で整える「トントン、バサっ」という音がとても攻撃的に聞こえてしんどくなってきた。
また、後ろの席に座っている上司B氏の音もやたら耳に障るようになった。
実際はそんなことはないのだが、「ガタッ」と机を立つ音が、自分を叱責しに来る、また何か言われる、と被害妄想的に捉えてしまうようになった。
そして、一番は仕事帰りや晩布団に入った後に、「このままいなくなれれば楽なのかなあ」と連続して考えるようになったこと。
(実はその時の自分は「このままいなくなる」=「死にたい」とは繋がっていなかった。が、帰り道に例えば車や電車に飛び込んでいなくなってしまうのは、死ぬことに他ならない、と、病院に行った後で気付く。)
そんな状況が1ヶ月くらい続き、自分の中では職場に行くこと、職場にいることが恐怖に他ならなくなっていた。
もうこれ以上、いろんな攻撃に耐えることができない…とギブアップしたのが病院を訪ねる決心になった。