劇渋銭湯、レトロ銭湯に興味がある人なら必ず詣でたいと思うのが、この梅ケ枝湯だろう。
銭湯熱が昂じて、遂に風呂に入るため(だけ)に高砂まで遠征してしまった。
しかし、結論から言うと、「行って後悔しない風呂」だった。
まず、外観がとてつもない。
表と裏が違い過ぎるのだ。
【表:入口のある方】
【裏】
なんでも、戦前から営業しているということで、建て増し建て増しを繰り返して今ココ、なのだろう。
このデカダンな風情を見たら、本当に入って大丈夫なのか…とちょっと心配もしてしまうが、暖簾もかかっているので、いざニュウヨーク、業務遂行ってことにする。
内部撮影はできないので、雰囲気はぜひ実際に足を運んで確かめていただきたいのだが、とにかく「時間が止まった感・タイムスリップ感」がハンパない。
下駄箱からして、もう神戸などの市中では見なくなったタイプ。
番台式なので、入口で男女分かれ、入湯料を支払う。
木の床、更に時代を感じるロッカーも昭和の雰囲気プンプン。
(籠しかないかな、貴重品どうしようかな、と思いきや、ちゃんとロッカーには鍵が付いていた。よかったー!)
さっそく風呂場に入場。
女湯は右側だが、メインの浴槽は左側の壁にくっついている。
内側の淵には腰掛けて浸かれる作りになっているが、結構深い。
どうやら、お湯が男湯と共用になっている面白い作り。
右奥には小さい浴槽が。こちらは足を伸ばして入れる深さ。
カランは左側に3つほど、右側も5つくらい。
更には風呂イスは3つしかなかった。
ただ…先客のマダムを見ていたりすると、皆さん浴槽のすぐ脇に腰掛けて、そこからお湯を汲んで身体を洗っているから、風呂イスは案外需要が無いのかもしれない。
お湯の温度は熱めで、43℃はある。
大きい方も、小さい方も温度はそんなに変わらない。
熱いのが苦手な人は、2分くらい入っては外に出て身体を冷ます、あるいは冷水をかぶる、を繰り返すか、長湯しないでさっと上がるのがベターかもしれない。
私はせっかく来たのだからと意地になって3分入浴→冷水を汲んで4杯かぶる、を繰り返していた。
風呂上がりはレトロな体重計に乗ってみた。
サウナも水風呂も電気風呂も無い、2つの浴槽にお湯が張ってあるだけの銭湯。
だけど、昔懐かしい、そして薪で焚いた柔らかいお湯が身体を包む。
その感触を味うだけで、はるばるやってきた苦労が吹っ飛ぶ、またこの雰囲気に浸りに来たいと思ってしまう、そんなお風呂屋さんだ。
<備考>
普通の銭湯なので、石鹸シャンプーの類は持参が望ましい。(番台、あるいは高砂駅前のコンビニで調達するという手もある)
ドリンク類の販売は無いので、喉が乾く人はあらかじめ駅前のコンビニで飲料を買っておくとよいかも。
女湯にはドライヤーが置いてあった(使用しなかったので、料金は不明)。
風呂場には時計が無いので、待ち合わせをする場合は防水時計を風呂場に要持参。
(脱衣所にも見える場所に時計が無いため)
駐車場はあるけれど、4台ほどだそう(女将さんに聞けば場所を教えてくれると思う)
梅ケ枝湯
営業時間:15:30–23:00閉店
定休日:木曜日
入湯料:大人430円