「玉の湯」さんで京都初風呂をいただき、サッパリした後は三条−四条界隈をウロウロ。
新京極や寺町通はいろんなアパレルや雑貨のお店が立ち並び、ウィンドーショッピングが楽しい。が、もう一つ理由があった。ニュウヨーク出張のために時間を潰さなければいけないという現実である。
そう、京都の銭湯は大阪や神戸の銭湯に比べて開店時間が比較的遅めなのだ。その代わり、晩の営業も遅くまでの処が多いのだが。以前住んでいた時にも感じていたのだが、意外に京都は宵っ張りの街でもある(ただ、職人さんの多い西陣なんかは工場は朝エライ早くから稼働していたりと、そのギャップも凄い)。
ルート的に2軒目となったのは、錦市場近くにある「錦湯」。
とても久しぶりに錦市場に行こう、と冷やかしのつもりで通りに入ったら、土曜の夕方前は大変な人混みだった。まるで年末のアメ横状態で、人の流れに沿ってしか歩けない。細い路地の両側にお店が立ち並ぶのは以前と全く変わっていないのだが、最近は「立ち食い、食べ歩き」の店がとても多くて、どうやら観光客(それも訪日外国人客)を狙っているようだ。今までの錦市場では扱っていなかったメニューも多いけれど、それは観光客de市場活性化の流れなんだろう。魚や魚介類の串焼、近江牛?の握りだとか、とにかくスタンディングフードの多いこと。そしてそれ目当ての観光客は急に立ち止まるし、食べものを持っているので、タレや串が自分に向かってこないように充分注意して歩かないといけない。
そんな「流れに従うしかない」錦市場を楽しめる人は錦市場を通ってもいいだろう。だけど、時間が無い、とか、とにかくマイペースで歩きたい人は、錦湯に行く際には錦通りを通らない方が身のためだ。
で、外観はこう。
レトロ感半端なし。
此処も暖簾が2枚。ここは開けたらすぐ番台だよ!逆の方開けたら大変だよ!
玉の湯の処に書いた「脱衣所丸見え」はここのことです。
手前の方で着替えていると扉開けた時に見えちゃいます。気にする人は、できるだけお風呂場に近い処で着替えると良い…けど、この風呂屋さんはあまりにデカダン過ぎるので、圧倒されて場所を選ぶなんて余裕は無いかもしれない。
昔ながらの柳行李が並んでいるし、おかまドライヤーも健在。
このタイムスリップ感はハンパなし。
柳行李だけだったら防犯上どうなん、て思っていたけれど、この写真の横(右側)に、辛うじて鍵の掛かるロッカーもあった。柳行李ごとインして鍵をポチリ。
なぜか風呂場ではなく、風呂場の扉の手前に散らかっている統一感の無い洗面器やイスを必要ならひっ掴んでお風呂場に入るように。
お風呂は基本的なラインナップ。変わり種は無いが、薬湯、深風呂、朝風呂とジェットがくっついていて、電気風呂、水風呂という顔ぶれ。サウナは無しだけど、お湯が基本的にかなり熱めなので、熱湯好きの人には良いかもしれない。
逆に、浴槽が小さめだし、のんびりぬる湯派、長風呂派には残念ながら此処はミスマッチかもしれない。
いずれにせよ、あまりに時代感がタイムスリップし過ぎていて、銭湯初心者にはちょっとレベルが高いかも…
ただ、その止まった時代感を「味見」するくらいならいいかもしれない。
のんびりゆったりは他の銭湯に譲るとして、ここはデカダンな雰囲気を体感したらささっと上がって次のお湯に移動しよう。
ちなみにここの銭湯、祇園祭の日は祭りに参加する人の為にお風呂が開放されるらしい。
錦湯
最寄駅:地下鉄「四条烏丸」、阪急「烏丸」
営業時間:16:00〜24:00
定休日:月曜日
サウナ:無し
水風呂:有り
シャンプー石鹸:無し