サバ×サバな日々

メンタル不全により仕事からの敗走。休職というサバティカル、そしてサバイバルに向けて模索する日々のよしなしごと。

サバイバル日記Ⅱ 161日目 レイワじゃなくてショーワな光景

 昨日の晩、自宅に置いてあった古い薬を飲んだら、少しは痛みが治まった。が、完治はしていないので、いずれにせよどっかの病院に行かねばならない。あいにく今日もともと通院予定だったところはセイシンカだから、腎盂腎炎とか膀胱炎の薬はだしてくれないだろうしなあ…しかたがない、近所でそれ系を相手してくれる医者に行かねばならない。
 10時過ぎにえいやと起き上がって、面倒見てくれそうな病院に向かった。10時だったら、朝一に押しかけた人たちの診察が終わって一段落しているか…と思ったら、甘かった。病院の外まで、待っている人がいた。しかも、シニアばかりである。待合の椅子の数と、待っている患者の数が圧倒的にバランスが悪い。ベンチだけでは足りず、4本足の簡易丸椅子が置かれているけれど、それもすべて埋まっているありさま。中には杖を使っている人もいらっしゃるのに、それでも立って待て、なシュールな光景。初めて訪れた病院なのだが、壁にはインチョーの業績の載った学会誌のコピーや学会実施の様子などがたくさん貼られている。要は、「うちのインチョー、こんなに凄いんですよ!」というプレゼンテーションか。椅子は無いけれど、胡蝶蘭はある…不思議な待合室で、長らく待った。常連さんたちは皆さん待たされる覚悟なのだろう、ハードカバーの本や分厚い文庫本を携えている。だいたい歴史系なのは何故だろうか。長く待つと、中国4000年の歴史を紐解きたくなるのだろうか。
 そんなこんなでギリギリのタイミングで採尿し、診察室に呼ばれた。本人確認のために名前を言わされたが、その後の復唱がさながら老健施設モードだった。確かに他の患者さんはそれが日常かもしれないが…そして(あちこちで大活躍?の)インチョー先生、殆ど患者とやり取りすることなく、自説を展開してドリフな診療。
「…腎盂腎炎のなりかけやな、薬出しとくから飲んで。土曜日また来て」
「…土曜日は、出かける予定が…」(東京行くんだって!)
「具合悪いのに出かけるんかい?!おとなしくしてないと入院せなあかんくなるで!月曜は?」
「…月曜まで、都合わるいんです」(人の予定も聞かずに、勝手に決めるなよぉ)
「ほな、火曜日来て。じゃ、おだいじに」
なんだか、このやり取りだけでもどっと疲れた。
会計まで、またえらく時間がかかったが、待っている間よくよく見れば、診察室と待合も何と開放的な、ドア開けっぱなしではないか。受付と診察室も風通し良さそうだ。つまり、プライバシーという概念は無さそうである。
ようやく会計の順番が回ってきて、院内処方らしく薬もセットで渡された。頼みもしないのに胃薬までついてきている。そりゃ、周囲のシニアたちは喜ぶだろうけれど、私胃薬必要としたことないんだけど…でも断ろうとしたところで、「俺が必要と判断して出してるんだ!」と言われそうなので、「ありがたく」いただくことにした。
とにかく、いろんな意味で21世紀ではない「ショーワ」な空間を体験したけれど、こんな博物館みたいな診察、二度と来るかボケェ!と思ったのだけは間違いない。

医:あー、こりゃ×××だねー

患:…(そんな恥ずかしい病名、あけっぴろげに言わなくても…)

医:大丈夫だよ、待合のみんな耳遠いから!

患:(ソウイウモンダイジャナイ)