サバ×サバな日々

メンタル不全により仕事からの敗走。休職というサバティカル、そしてサバイバルに向けて模索する日々のよしなしごと。

【通院1回目】仕事からの敗走

年の瀬も迫った12月某日の朝。

私は初めて訪れる診療所の待合室にいた。かなり年季の入ったその個人医院の待ち合い室は決して広くはない。木張りの床に、低めのソファが数組置かれている。

診察は9時開始だが、私は8:30過ぎからその空間に座り続けていた。

どのくらいの時間が経ったのか、正確には30分か40分といったところだろうが、その時の私には半日くらいの時間が過ぎたように感じた。

ようやく診察室に呼ばれ、今日の来診の背景理由を尋ねられる。当然だ。初めて会う医師は50前後の男性。

「…仕事に、行くのが、辛いのです」

と切り出し、そこから自分の中でも整理できていない状況をポツポツと語って繋いでいくしかなかった。

気がついたら涙が出ていた。苦しかった。

超がつくほどの長時間労働でもなし、明らかなセクハラやパワハラをされていたわけでもない。

でも、「いろんなこと」がトータルで積み重なって、職場は私にとって非常に「居づらい」場所になっていた。

仕事の成果が自分の中ではどんどんと下がっていき、疎外感を感じながらなにか作業を進めることはもはやできない状態だった。

 

1時間ほど、現状の話を聴いてくれた後、先生から「眠れていますか?」(最近は仕事のことが頭から離れないから深く眠ったことがないです)、「食欲はありますか?」(口の中にモノは入れていますが、美味しいとか味を深く感じる余裕はありません。昔ほど食べれません)、更に、統合失調症との識別のためか、「姿が見えないのに声を聞いたり聞こえたりすることがありますか?」とか…いくつか質問をされ、結論がまとまったようだった。

「要は、頑張り過ぎ」

緊張や、求められたものに応えようとしたけれど、ついていけない部分もあった、もう無理っていう状況で更に走ろう歩こうとしているから、もうちょっと休みどきですね、と言われた。

その場で、「約3ヶ月の休業を要する」という診断書が発行された。

ただ、今月中に産業医との面談の上で、という条件付で…

 

診察が終わったのは11時過ぎだったと思う。とりあえず職場の上司に、「思ったより状況が悪くて少し長い時間休むことになりそうです」とだけ電話で伝えた。

とにかく受診した医者に「今は仕事を休んでいい(休業すべし)」というお墨付き(診断書)を貰うことができたので、心も体も全壊することは免れた。

とにかくこの診断書を人事だか保健センターに提出して、オフィシャルに「あいつ、暫く休むってよ」を認知してもらわねばならない。

ロボットのように思い体を引きずり、とにかく事を早く済ませようとそのままバスで20分ほどの職場に向かう。

とりあえず休業って就業管理に関わることだから人事かな、と思って人事の担当部署に行ったが、担当者は留守だった。

それならば、例のサンギョー医とやらの面談を先に済ませよう、ということで保健センターへ。

受付で「サンギョー医の先生と面談したいのですが」と伝えると、これも唐突だったらしく(産業医って常駐してないのかよ!)、なかでごにょごにょあった後で、顔見知りの保健師さんが現れた。

どうやら、メンタルに関わることはメンタル専門のサンギョー医に会わないといけないらしく、どんなに早くても次の週になるらしい。

はぁ…。こんなにしんどいのに、再訪せねば、オフィシャルに休業することもままならないのか…。

脳の中も全身変な汗でグチャグチャになっている私をなんとか保健師Nさんが落ち着かせてくれ、コトの概要を聞き取ってくれた。

引き延ばしになってしまったサンギョー医との予約を入れ、さっき貰ってきた診断書を託して、帰宅した。それが精一杯できることだった。

帰宅した後は恐らく一瞬にして眠りに落ちたのだろう。記憶が全く無い。