大阪市内にある渋い銭湯でよく名前が上がるのがここ。
新木川温泉という。
ここも「温泉」とはいうけれど、いわゆる掘った温泉ではなく、大阪特有の屋号なので、成分がナントカとか、そういう期待はしないように。
阪急十三駅(注:じゅうそう、と読みます。関西人かつ阪急ユーザーでないとまず読めない)の東側の商店街を抜け、ひたすら東方面ーいうならば南方方向に歩くこと約15分。
しかも、スーパー「ライフ」から住宅街の中に入ったところにある。
この辺りは戦時中(70余年前の話だ)、辛うじて空襲を免れたところで、この新規川温泉もその当時からあるとか。ただ、周辺はどんどん建て代わり、恐らく文化住宅や長屋だったであろう敷地はマンションがちょこちょこ、近現代的な戸建てがちょこちょこ、という景色になっている。
雨の晩だったので綺麗に撮れなかったけれど、水色の外観。
番台にはおばあちゃんが座っていた。
地域に根ざした典型的な「昔ながらの街の銭湯」だ。
晩の8時台だったが意外にもお客さんは少なく、3ー4人が入れ替わる感じで入浴。
8:30の時点で私一人になってしまった。
典型的な大阪スタイルの浴槽がある貴重なお風呂屋さんである。
一応、東人な私は、この大阪スタイルの風呂を見て度肝を抜かれた。
なんで風呂場の真ん中に浴槽があるねん!この周りの段差はなんだ!と。
ただ、慣れるとこの段差の「ありがたみ」が身に染みる。
昔はカランも割り当てられないくらいたくさんの人が銭湯に来ていた。
せっかち?!な人は、この踏段に腰掛けて、湯船から直接お湯を汲んでここで身体を洗っていた、という訳。
(なので、関西版のケロリン桶は水汲みがしやすいように東京版より浅めになっているのだ)
今でも、超常連のシニアの方は、この踏み込み段に腰掛けてゴシゴシ身体を洗っていらっしゃる。
私もカランのお湯を汲むのが面倒な時には見習ってしまうくらい、「風呂フェッショナル」な「ニュウヨーカー」になってきた。
戦前からあるだけあって、不思議なジャグジーもある。
こんなん設置してあるお風呂屋さんはもう数える程しかないだろう。
奥には薬湯と電気風呂コーナーが。
薬湯は茶黒くて、如何にも効きそうだけど、匂いも強烈。
電気風呂も、パルスが強くて、入り方を誤ると足が攣ったりするので注意。
(マジで電気ショック受けたらこうなるの、って状態になった。姿勢の問題なので、普通に入れば無問題な筈)
とにかく、隅から隅まで「昭和感満載」なお風呂屋さんである。
一点注意事項を挙げるとすると、浴場からは時計が見えない。なので、時間を気にする場合は時計やタイマーを持参する必要があるだろう。
タイムスリップした感に浸りたい時に訪ねて欲しいお風呂屋さん。
新木川温泉
営業時間:15:00ー23:00
定休日:金曜日
サウナ:無し
水風呂:無し
水槽:確か無し
入湯料:440円
シャンプー・石鹸:備え付け無し(持参か番台で購入)
ドライヤー:有り (おかまが1台と、普通のもあったかと。料金は不明)
お湯の温度:主浴槽は42℃強。
泡風呂、薬湯、電気の箇所が少し低めで、それでも41ー42℃はあるだろう