兵庫県民、しかも阪神間に住む私にとって大阪、特に梅田より南は「アウェイ」だ。
いつも出歩くのは阪急の終着の梅田までで、それより南には基本的には行かない。
辛うじて、本町くらいまでだろうか。
しかし、しかし、激渋銭湯のためならば、アウェイだろうが出張せねば、ニュウヨーカーを名乗れない。そういうわけで、今回は我が家からはとっても行きにくい大正区を訪ねてみることにした。
土日は大阪メトロの1日乗り放題券が600円。これはバスにも乗れるから、週末のニュウヨーク出張にかなり「使える」アイテムだということが判明した。
おそらく数える程しか乗ったことがない地下鉄長堀鶴見緑地線で大正駅に向かい、そこからバスに乗り換える。(大正区はバスが生命線の地域なのでバス停の数たるや凄まじい。)
歩いても行けないことはないが、おそらく15分弱。
バスに乗れば停留所2つ、そこから歩いて5分もかからず目的地の「大正湯」に到着。
なんとなく、この斜めの入り口の付け方、西成の福寿湯を思い出させる。
入り口からしてこの渋さ。
中は典型的な大阪スタイルの銭湯。
御影石の床で、浴槽はどっちかというと中央に鎮座。
そして不思議なのは、踏み込み段があるだけでなく、浴槽の片側が踏み込み段が伸びたみたいに一段上がっている。熱湯に入ったあと涼みたい人が転がるためのスペースなのか?
そして、脱衣所から浴場に入ってすぐのところに、楕円形をした水鉢がある。
タイル貼りの細工が綺麗だし、水鉢の裏はカランになっている。
ここはジェットが寝っ転がりながら入ると気持ちよかった。
電気風呂はあったがかなり強烈なので、苦手な人には無理にオススメはしない。
水鉢もよかったのだが、何より気に入ったのが、脱衣所に飾ってあるユニークな盗難防止のポスター。
女湯バージョンはこちら。
そして男湯バージョンはこんな感じ。(撮影協力:相棒)
いつからこのポスターが貼られているのか番台の主人に聞いてみたら、「2代前からなんで、70年近く前から」だそうだ。
しかも、紙ではなく、布に描かれているものらしい。
当時のオーナー夫婦をモデルにしようとしたらしいのだが、奥さんは恥ずかしいとモデルになるのを辞退(笑)されたそうで、男湯の裸のおっさんは先先代に似せている、らしい。(笑)
ここも脱衣所や靴箱がとても大きくて、往年は大流行りしていたんだろうなぁ、と昭和の高度成長期のことをかんがえる。
そういえば男湯はペルシャ風の女性のタイル壁画になっているらしい。
打って変わって女湯は魚が泳いでいるのだが。(その脈絡のなさは一体なぜ?)
おばあちゃんの家に来たような感触のお風呂屋さん。
とっても人間味のある雰囲気。
ただ!ただ!二つだけ言うならば、
1.番台にいたおっちゃんは大変落ち着きが無い。女湯にも平気で入ってくるので、裸体を晒すのが恥ずかしい、と恥じらいのある方はご注意を(笑)。
2.脱衣所が喫煙可になっているので、正直煙い。女湯で吸っている人がいなくても、男湯から煙が流れてくる可能性有り。→そういう場合は、次行こ、次!
※店内撮影許可頂いてます!感謝!
大正湯
最寄駅:JR環状線/地下鉄長堀鶴見緑地線「大正」駅 からバス「三軒家東4丁目」で降りて3分くらい
歩いても平坦な道で、15分弱。バスに乗ると、停留所2つ分。
営業時間:15:00−22:00 ※日曜日のみ6:00−22:00
定休日:月曜日
シャンプー石鹸:無し(番台で買うか駅前のマツキヨで調達してから行くとよい)
サウナ:無し
水風呂;無し
桶:バラバラ(ホムセンで買ったか、お客さんの寄付?)