先日、ふと「ほうふつ」さんのこのブログ記事を読んだ。
soukyokuvariety.hatenablog.com
内容を要約すると、
・カナダで、同性愛等の人の呼称を本人が望むかたちに変更する(例えばShe と呼ばずにTheyと呼ぶ、等)のがOK、という法案が通った
・それに反対する学者がいる。
・その背景は「表現の自由を侵すから」
どういう意図でこの文章を英検の問題に引っ張ってきたのかは分かりかねるが、正直、日本やアメリカよりも人権意識が高いカナダで↑の「表現の自由を侵す」を理由にこの反対している学者サンたちの主張が通るとは思えない。
具体的な例を出せばすぐに分かると思う。
日本語だって、相手を呼ぶときに「あなた」「君」「おまえ」「てめえ」「おい(これは人称か?」「●●(名前、ニックネーム)」…いろいろあるけれど、故あって呼ばれたくない呼称はあるのではないか。
ましてや、それがかつての「よくない関係」の中で使われていて、その呼称で呼ばれることで、当時の心の傷が蘇ったりすることもあるだろう。
(虐待された親にそう呼ばれていた、とか、パワハラ受けた会社の上司からの呼ばれ方が●●だった、とか)
相手が「●●と呼んでほしくない」というのならば、それに従い、「○○と呼んでほしい」というのならばそれに応えるのが適切な人としてのふるまいなのでは?
「表現の自由」は大切なことだが、それ以上に大切なのは、「個人が人として、ありのままに苦痛なく生きていけること」。
それ故にヘイトスピーチが禁止されるのだ。
なんだか、深読みしすぎかもしれないけれど、この文章を例題に持ってきた人のセンスを疑う。
(ただ、私自身は英検を受験したわけでなく、問題文も見ていない。あくまで、上記ブログの内容を読んだだけで書いている、から、事実誤認の部分もあるかもしれない。あくまで、上記ブログの内容から判断するに、の前提での話だということをお断りしておく。)