今日は、「ビョーイン」ではなく「ビヨーイン」に行った。
凡そ半年振りと言ってもいい。
サバ生活に突入する前は、だいたい3ヶ月に1回のペースでビヨーインに通っていた。というのも、髪の毛のクセが酷いので、縮毛矯正をしないとバクハツ状態になってしまう。逆に、3ヶ月に1回、3ー4時間座りっぱなしに耐えれば、それ以外の日は髪の毛に構う時間はほぼ0分で済むのだ。どっちを取るか、となって、3ヶ月に1回の高い「坐禅もどき」に耐えることにしている。
そして、なんとなくのサイクルで「3の倍数の月」にビヨーインに通っていた。3、6、9、12月だ。
ところが、去年9月にビヨーインに行ったものの、12月半ばに自分がぶっ壊れてメンテナンスモードに突入し、サバ生活になったら、とてもじゃないけれどビヨーインなんて行く気になれない。髪の毛ボサボサ、伸び放題になっていたけれど、所詮引きこもりだし髪型がどうのと評価される人に会うことも無かったから、どうでもよかった。
3月に社会復帰することが決まり、その時に冬眠から抜け出したクマのように、ああそうだ、ちょっくらビヨーインでも行ってみるか、と、半年振りに「ヅラを替えに」行ったのだ。
果たして社会復帰後の6月は慌しく、また自分の中でもエネルギーが磨耗していたのだろう。日に日に伸びていく髪も引っ詰めてしまえば困ることはない。こういうインターバルが空くことを考えると、カラーリングはしないで正解だと思う。確実に「プリン」になってしまうだろう。だからといってセルフカラーをすると、大抵失敗する。
実は5月に、白髪がちらほらあったので、白髪・黒髪兼用の毛染めを初めて買ってみた。セルフカラー初体験である。「失敗しない」という触れ込みだったが、実際作業が終わった私の頭は、場末のスナックのママのような中途半端な茶色ともなんとも言えない色味になっていた。おかしいな、アッシュブラウンなのに、アッシュのかけらもなかったぞ。
その「場末感」をごまかす為に、今度はカラートリートメントをすることにした。もう「茶色」には懲りたし、一回失敗したので、どんな色でも怖くない、と開き直りがあった。あ、そうか。茶色ー赤に転ぶと老けて見えるなら、逆の色を入れてみよう、ということで、青のトリートメントを選んだが、これは案外賢明な選択だったようだ。
青を入れると、黒髪のように見える、のは、悪くない。おかげで白髪も目立たなくなった(のか、生える本数が減ったのか)。
閑話休題。
今日行ったビヨーインは、初めてのお店だ。
3月まで通っていた店は、かれこれ少なくとも10年は通っていた店だ。通っている間に担当の美容師さんは3人替わった。こちらから交代を願い出たのではなく、退職してしまったからだ。1人目はリゾートにIターン、2人目は東京進出、そして今の美容師さんが3人目だ。たまに別の人が出てくることもある。
そこの店は親族がやっているわけでもない、友人知人の経営でもない。単なる一顧客だ。しかも自宅の最寄りでもなく、職場の近くでもない。それでも10年以上も同じ店、同じスタッフの元通い続けているというと、大抵驚かれる。
正直、なぜ通い続けているのか、と自問自答すると、「別に大きな不満があるわけではないが、新しい店を探すのも面倒だしー」というところに行き着く。
髪なんて切っても数ヶ月後には伸びるし、言うならば外食に行くのと大差ないのかもしれない。
しかし、しかし。ビヨーインを選ぶのは、外食の中でもファストフードとか牛丼屋とはちょっとレベルが違う、言うならば寿司屋探しみたいなものだろうか、初めての店は緊張するし、スタイリストとの相性もあるし、たとえ数ヶ月とはいえ、気に入らない様相にされるのは嫌だし…と、いろんな考えが渦巻く。
そして、今日、なぜいつもの店に行かなかったのか。理由は簡単で、「今日は店が休みだったから」だ。台風が接近していることもあったが、できれば今日、明日のうちに散髪を済ませたい、その要求に「いつもの店」は応えてくれなかった。(まあ、世間はお盆休みもあるからね。いつもの店に恨みはない。)
新しい店を選んで行けたのも、ひとつのご縁だろう。
恐らく、次にビヨーインに行くのは12月。
どっちの店に行くかは、その時になってみないとわからない。新旧2つのビヨーインは、100mと離れていない距離にある。